新春交礼会
公開日:
:
県例会
利益を生み出す、
労使見解の学びと実践
社員のしあわせを考えると、会社がしあわせになる
報告者
株式会社サンフォート 代表取締役 山城真一氏
徳島同友会 代表理事/中同協 副会長
14年連続で会員が増え続けている徳島同友会の代表理事であり、本業(マクドナルドのフランチャイズ)でも危機的状況を乗り越えV字回復を果たし、誰よりも「労使見解」を学び実践しておられる山城さんのご報告でした。
外資系で合理的な経営のマクドナルドの社員だった山城さんは、独立してからも「社員は兵隊」という考えが当たり前だと思い、また、募集をすれば人も容易に集まり人材にも苦労していませんでした。しかし、経営課題を解決したいと同友会の全国大会に参加すればするほど本音でタイムリーなアドバイスを毎回もらえることから、同友会的経営の学びと実践にしだいにのめり込んでいきます。
その同友会的経営の真髄が「労使見解」。
① 経営者の経営姿勢の確立
② 経営指針の成文化と全社的実践
③ 社員を最も信頼できるパートナーと考え、共に育つ
④ 外部経営環境の改善、の4つです。
徳島同友会でも「経営指針実践塾」を立ち上げ、とくに後継者が経営指針を成文化する過程で「自社は何のためにあるのか?」と自ら問い直し、創業者の精神を知り、自らの経営姿勢を確立していく中で、先輩会員が本音の議論で徹底的に関わり、組織としての強い絆が生まれ新しい会員も増えていくという好循環が生まれているとのことでした。
また、外部環境を改善するため、学生の職業体験だけでなく学校の先生をインターンシップで受け入れる活動も徳島同友会全体で積極的に行っています。学生本人も学校の先生も「まずは安定した大企業に就職を」という現状を変えるために、地域に根ざした中小企業の良さをきちんと理解してもらおうと地域の教育にも関わっているのです。そして同時に、「自社は社員が自分の子どもを就職させたいと思う会社か?」と常に問い続け、現在、サンフォートでは親子で働いているのが18 組。中にはおばあちゃんからお孫さんの三代で働いている方もいるそうです。社員が自分の会社を「いい会社」だと思っている何よりの証です。
異物混入騒動などにより売上がピークの6割まで落ち込んだときも、一人もやめさせることなく危機を乗り越えられました。これはまさに「社員を最も信頼できるパートナーと考える」という労使見解を貫く山城さんの覚悟と実行力の賜物です。
グループ討論は「社員を幸せにするために、あなたは何をしていますか?」というテーマでした。各社それぞれ悩みながらも「人を生かす経営」に取り組んでいるお話は皆さんのヒントになったのではないかと思います。とくに条件面・待遇面や労働環境などの「満足」だけでなく、やりがい・信頼関係・使命感・成長など社員の「幸せ」をしっかり考えておられる経営者が多いというのは、高知県人ならではの「大らかさ」や「温かさ」が大きいような気もします。今回、みんなが労使見解を腹に落とし、「社員は最も信頼できるパートナーだ」という覚悟を決め、さらに徹底していけば、きっと高知から「高知らしく同友会らしい経営」を誇りを持って全国に発信できる日が来るのではないかという大きな期待を抱く例会となりました。
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