高知支部 8月例会
公開日:
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高知支部例会
「社長のための法律講座」
(労使間のトラブル・働き方等々)
報告者 中西法貴氏 中西・髙野法律事務所
高知支部8月例会では、22日に高知市文化プラザかるぽーとにて「社長のための法律講座」(労使間のトラブル・働き方等々)というテーマで弁護士の中西法貴氏にご報告いただきました。
開催に当たってどうすれば魅力的な例会にできるのかを考え、「学ぶことによって実際に役立つ」ということに重点を置いて企画しました。その結果、今回は法律について基礎的な知識を得ることをテーマにしました。
「いくつかの事例を取り上げて各班が討論する形にすれば、いろいろな意見が出て活発的な会になるのではないか」と中西さんからご提案をいただき、3項目の事例を設定して例会プログラムを作りました。
①雇用と解雇について
勤怠不良(遅刻、欠勤、早退を繰り返す)
能力不足
協調性不足
私生活上の犯罪
以上4点について実例を取り上げ、各班が話し合いと発表。
事例に対して裁判所はどのような結果を出したのか、またその結論に至った理由は何だったのかなどを教わる。
②労働時間について
労働時間に対するルールのヒエラルキーとしては
1位:法律
2位:労働協約
3位:就業規則
4位:労働契約
以上の順番となり、下位のルールで労働者に不利益なもは、上位のルールによって書き換えられてしまう。
③就業規則について
常時10人以上の労働者を使用する者は就業規則を作成し、労働基準監督署長に届けなければならない。
これらのことについて実例を取り上げて学びました。
ここで一つ実例を出しますので、皆さんも考えてみてください。
【事例】
Xは、Y放送局に勤務するアナウンサーである。Xは、2月22日から23日にかけて宿直勤務であったところ、朝寝過ごしてしまい、23日の午前6時から10分間放送されるはずの定時ニュースを放送し損ねた(第1事故)。
さらに、Xは翌月である3月7日から8日にかけても宿直勤務であったが、再び寝過ごしてしまい、8日の午前6時からの定時ニュースの冒頭5分を放送し損ねた(第2の事故)。
Xは、第2事故については、自主的には上司に報告せず、上司は1週間後にこれを知ることになった。上司はXに始末書を提出させることにしたが、Xは事実について内容虚偽の始末書を提出した。
Y社は、Xを解雇した。さてこの解雇は有効か?裁判所の判決は?
【結論】
本件解雇は、解雇権の濫用であり無効。
【理由】
・寝過ごしは過失であった。悪意があってのことでない。
・他の宿直者も一緒に寝過ごしていて、Xだけが寝過ごしたわけではない。
・放送の空白時間は長時間とはいえない。
・(虚偽の始末書を提出したことも)短期間に2度の放送事故を起こして気後れしていたことを考えると、強く責められない。
・過去に放送事故歴もなく、普段の勤務成績も悪くない。
・これまでにY社では、放送事故を理由に解雇した例がない。
以上のような結果でした。
解雇が認められるためには、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であること」が必要とされており(労働契約法16条)、この考え方は「解雇権濫用法理」と呼ばれます。解雇権濫用法理は昭和50年代という終身雇用が原則であった時代に生まれた考え方であり、それが現代まで生きながらえている状況です。
このように解かりやすく、法律について教えていただきました。
報告者の中西さんは、ご多忙のところ打ち合わせなどにも時間をかけてくださり、また会がスムースに進行するようにパワーポイントで資料作成をしてくださいました。
とても有意義な例会にして下さった中西さんに感謝いたします。
そんな同友会に興味のある方は
まずは例会へのオブザーバ参加をしてみてはいかがですか?
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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